人気ブログランキング | 話題のタグを見る

かよの「いっぽ、にほ」

kayomaeda.exblog.jp
ブログトップ

沖縄から憲法を考える

紀南9条交流ネット主催の「沖縄から憲法を考える集い」が上富田文化会館で開催され、稲嶺進氏(前名護市長・オール沖縄共同代表)の講演を聞きました。

沖縄は
琉球王朝時代には権力と武力によって日本に併合され、
太平洋戦争では本土決戦の捨て石とされ、
敗戦後は日本でもないアメリカでもない植民地時代をしいたげられ、
本土は沖縄を担保にして安全を確保し経済発展していった。
日本に復帰した後も状況は何も変わらず異常が続く沖縄の姿を訴えられました。

2017年に宜野湾市の普天間第二小学校の校庭に米軍ヘリの窓が落下した際、米軍は謝罪しましたが、学校上空は飛行しないでという学校側の求めに応じず、事故から10か月の間に一日に最大27回、合計706回も児童生徒が避難する事態になり、もう授業どころではなく明らかに協定違反なのに、子どもたちの安全を守ることに対して政府は米軍に対して何も言えず、グラウンドにシェルターを設置するという矛盾を生み出しています。

韓国にもアメリカとの地位協定があるが、交渉によって改定されている。でも日米間の協定は1960年の制定以後一度も改訂されたことはなく、国会での「なぜ国民の命を守れないのか?」との問いに対し、「比べることが間違い」だと答える政府。これで主権国家と言えるのか、と感じずにはいられませんでした。

名護市長選で新基地建設推進派の候補者が勝った時、菅官房長官は「我々は結果が第一」と言いながら、デニー知事圧勝の際には「一地方の選挙結果に過ぎない」と言い、県民投票で圧倒多数が基地建設に反対票を投じたのに計画を止めない理由を岩屋防衛相は「沖縄には沖縄の、国には国の民主主義がある」言いました。これら沖縄の民意を無視する政府は、あまりにもひどいご都合主義ではないでしょうか。

さらに県民投票結果を尊重すべきか?というアンケートに対して「尊重すべき」と回答したのは静岡と岩手県2人の知事のみだったことに触れ(ちなみに和歌山県知事は書面での問いには回答せず口頭で「コメントは差し控える」としました。)、今日まで続く沖縄への構造的差別は、こうした政府を良しとしてきた日本国民の責任でもあると訴えられました。

以前、白浜空港にオスプレイが緊急着陸したことについては、偶然などではなく米軍は白浜に着陸できることの確認と情報収集をして一つの足固めとし、今後は全国の沖縄化が進んでいく。と警鐘を鳴らしました。

最後に、政府が言う「辺野古が唯一の解決策」ということに根拠がないことを以下のように話されました。
米軍基地再編計画は沖縄の海兵隊9千人をグアムやハワイなどに移すとしていて、実際沖縄に駐留している兵隊は、推定およそ1万2千人で、9千人を移動させたら残るは3千人。しかも沖縄に残るのは司令部隊で、移動の大部分は実戦部隊。これでは政府が言う抑止力になりえない。
さらに辺野古の海を埋め立てて造る基地の工事費は、政府見積りで当初3000億予算だったが、県の推定では、岩盤にたどり着くまで90mというマヨネーズ状態と言われる軟弱地盤との発表がされる前ですら2兆5500億円で、地盤改良には13年もかかる。仮に完成しても滑走路の先端部分はズブズブと下がり続け、飛び立つ先が沈むような滑走路を米軍が使用するか、という疑問さえある。と告発されました。

辺野古新基地建設に反対する座り込み活動に対して、ゲート前警備など国は機関すべてあげて民意を潰そうとしていて、かかる費用は1日2000千万!
一体だれのための何のための基地建設なのでしょうか。

国民の「見ない、聞かない、言わない」が沖縄への構造的差別を確たるものにしてしまっているのではないか、と強く訴えながらも、「沖縄は『基地をどこかに移して』と言ってこなかったのは、同じような苦しみを他の日本の人にさせたくないから。」「人の痛みを分かる社会、国になってほしい。」そう語られたのが強く心に響きました。
沖縄は遠くても、かつて併合した以上は同じ日本。よその遠い島のことせずにデニー沖縄知事が発信された「イデオロギーではなくアイデンティティを」の言葉を自分の心に刻もうと思いました。
沖縄から憲法を考える_f0370467_23155952.jpg

by maekayoblog | 2019-05-19 23:14 | 平和 | Comments(0)