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かよの「いっぽ、にほ」

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青い空は青いままで

~原爆記念日によせて~

「青い空は青いままで子どもらに伝えたい」
この曲を初めて知ったのがいつだったかは覚えていませんが、子どものころ母が私に歌ってくれたのを記憶しています。
母の明るく透明感のある声と奇麗な音楽が印象的で、でもとても悲しい影のある曲。
そんなふうに感じたのが最初です。それから私も折に触れ何度となく歌ってきましたが、無防備に歌うと今でも途中で胸が詰まりそうになります。
悲惨な歴史から生まれた曲なのに穏やかで明るいのは、きっと日本の将来に希望を感じたいという作り手の想いがあったのだろうと想像します。
日本国憲法前文にあるように「二度と戦争はしない」ということを、私も子どもの頃それを信じて安心さえしていました。
でもここ10年くらいの間に、じわりじわりと様子が変わり、秘密保護法、安保法制、そして改憲が言われるようになり、
子どもの頃に感じていた安心は不安へと変わってきました。

先日朝日新聞で、広島の旧軍需施設棟の全棟保存を訴える被爆者の切明千枝子さん(90歳)のインタビュー記事を読みました。
「憲法に縛られているはずの政治家が憲法を守らないような状況に背中がぞわっとする予感が生まれてきた」
と言っているように、戦争体験者の多くが今は戦前の様相を帯びてきたことを語っています。
今は平和だと思っている人が多い時にです。
でも本当に今平和なんだろうか?突き詰めて考えると、貧困の格差が広がり、男女平等を唱えると社会の前進を拒む力も働きます。
現政権は戦闘機爆買いには一生懸命でも、国民の命と財産を守るべきコロナ禍の今、基本的な保健衛生対策や補償には消極的で「withコロナ」と耳触りの良い言葉で自己責任論に転嫁しています。

切明さんもインタビューのなかで今、日本の平和について語っています。
「嫌な世の中になった。『コロナをばらまかないでよ』人を疑いの目で見るようになり、夜の街がやり玉にあがり、昔の自警団のよう。若い人も大人も昔を忘れて平和になったと思いこんどる。でも私には疑問符がついとります。貧困、男女の問題など戦争が起きていく構造みたいなものをなくさんと。」

そして最後にこう語っています。
「黙ってじっと座っとっても、平和は向こうからやってきてくれません。一生懸命たぐり寄せて、つかんで、力を尽くして、守らないと。でないと平和なんてものはうたかたのごとくに消えてしまう」

これを「昔の人の言うことなど、時代が違うわ」と聞く耳持たずになるか、「経験者が語る言葉だ」と耳を傾けるか、わたしたちの態度や行動がこれからの時代を大きく変えるのだと思います。やはり私は後者として歴史の証言を受け止め、子どもたちに平和な世の中を手渡したいです。



by maekayoblog | 2020-08-06 10:02 | 平和 | Comments(0)