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2018年 09月 07日 ( 1 )

庁舎整備は「まちづくり」

今日は市役所内の記者クラブで、記者会見を行いました。
市庁舎整備を単に「庁舎の引っ越し」にしないで「まちづくり」する、という提案をしました。

日本共産党田辺市議団のホームページ からもご覧いただけます。


「市民に寄りそい、費用も節約できる庁舎整備の提案」


              日本共産党田辺市議団

                 2018年9月6日

これまでの経緯

 全国各地で自然災害が多発し、当地方に甚大な被害をもたらすと想定されている南海トラフによる大津波の発生確率が年々高まっています。田辺市は現庁舎が、想定浸水域にあり、耐震性がなく災害発生時に機能停止するという理由から、高台移転の方針を決め、移転候補地の選定を進めてきました。

 日本共産党田辺市議団は、本庁舎の高台への移転には基本的に賛成ですが、移転候補地の決定および発表が議員の選挙直前に行われるなど手続きが非民主的で、候補地選定が市民の声を一切聞かずに進められてきたことや、最終的な決定が密室でおこなわれたことなど、候補地決定に至る経緯の不透明さの問題を指摘してきました。

 また何より、防災拠点として整備をするはずの新庁舎の3方向が大津波の発生時に浸水すると想定されており、残る1方向の道路も寸断や地滑り、建物の倒壊などによって塞がれ、本庁舎が「陸の孤島」となってしまう可能性が高く、防災拠点としてはまったくふさわしくない立地であることも指摘してきました。

 くわえて周辺道路の整備にも課題が多く、改善は「中長期的な課題」と市当局も認めています。建設工事にあたっては、特殊な土地形状から解体と建設を同時におこなう工事となります。特別委員会での部長の「一括発注が合理的」との発言からも大手ゼネコンへの発注が意図されていることは明らかです。

 このように多くの不備を指摘してきましたが、市当局はこうした指摘に一切耳を貸さず、「東山ありき」で庁舎移転を強行突破しようとしています。

 100年に1度といわれる大事業である本庁舎の移転をこのようなかたちで進めては将来に禍根を残すことは明らかです。

 そこで日本共産党田辺市議団は、今回の庁舎移転をまちづくりの絶好の機会ととらえ、行政と住民との関係性を根本からみつめ直し、庁舎整備によってどんなまちづくりを進めるのかという基本的な考え方を市民の皆さんに具体的に提示することとしました。

 この市議団の提案と、田辺市が進めようとしている庁舎移転を比較・検討していただくことによって、いかに東山への移転が住民の願いや暮らしを無視した中で進められようとしているかがご理解いただけると思います。

基本的な考察

 庁舎の移転を考えるにあたって、市の現状と課題について分析する必要があります。

田辺市は、平成17年の合併によって近畿で最大の面積を持つ市となりました。広大な田辺市は端から端まで車で走っても2時間近くかかるほどの広さです。こうした面積の広さは市民の一体感を阻み、住民と職員のコミュニケーションが充分に取れない状況となっています。旧町村部の住民にとって、合併によって行政との距離が遠くなったというのは紛れもない現実です。

「市民との協働」をうたう田辺市ですが、その一方の主体である職員の顔さえ住民が覚えることができないという現状は改善の必要があります。

 一方、住民の状況に目を移すとそこにも多くの課題があります。

田辺市においても、少子化や人口流出による減少は加速度的で、各地の小中学校でクラス数の減少や廃校が進んでいます。

 さらに、高齢化による地域の活力の低下や移動困難な住民の増加は、大きな行政課題となっています。

 そうした課題が大きくなる一方、財政規模は人口の減少とともに縮小せざるを得ない状況となり、過大な財政負担は将来の破たんを招く恐れがあります。

 そうした社会状況の中でおこなわれる庁舎移転には、いくつもの制約と同時に多くの可能性が秘められています。単なる「市役所の引っ越し」にしてしまわず、まちづくりの大きな転機(チャンス)ととらえ、その機会を最大限に生かすことが必要です。

現状を踏まえて、新庁舎はどうあるべきか。

身近な行政としての役割

地域の人口が減少し、かつ高齢化が進行しています。地域の活力そのものが低下している状況が、市内各地で深刻化しています。

 地域に行政が直接的にかかわって、地域づくりや日々の暮らしの安心・安全を確保することが求められています。精神的な距離感もさることながら、物理的に行政が近くにある(職員がいる)ことが以前にも増して必要となってきています。

 庁舎整備方針検討委員会がおこなった「市民アンケート」でも「アクセスのよさ」が上位にあることから、住民は役所が行きやすい場所にあることを求めていることが明らかです。

 また災害時にも、行政が近くにあることが大きな役割を果たします。

「自助・共助・公助」と言われますが、自助や共助が困難になってきているのが地域の現実です。暮らしている地域に行政があれば、すぐに公助の手が届くという利点もあります。一時避難場所の近くに職員がいれば誘導や介助など即応が可能です。

 住民の近くに行政があることをいかに実現するかが大きな課題です。

公共発注としての役割

 公共事業が地域経済に果たす役割は大きく、ましてや庁舎整備という大事業においては、その発注をいかに地域経済に循環させるかが重要な課題となります。

日本共産党田辺市議団の提案

 考察してきたように、今、行政および庁舎整備に求められているのは、

・物理的にも精神的にも市民の近くにあって、身近で頼れる存在であること

・大災害の発生時にも安心できる安全な防災拠点であること

・災害時にも身近な防災拠点として機能すること

・整備に多大な費用をかけず、現在ある施設を最大限有効活用すること

・不況にあえぐ地域経済に公共発注により経済循環の好影響を与えること

これらの条件を満たし、なおかつ「市民との協働」を着実に進めるために、市町村合併によって大規模化した市役所を適切な単位に整備しなおすことを提案します。例えば旧市内に7ヵ所程度の「行政局」(芳養、市民総合センター、万呂、上秋津、ひがし、東部、新庄など)を整備し、基本的な住民サービスを可能にします。そうすることで行政が直接「まちづくり」にかかわれる体制が保障されます。旧町村の行政局同様、一つの窓口でどんな問題でも対応できるようにすれば、わざわざ遠くの本庁まで行く必要はなくなり、市民アンケートに示された「アクセスの良さ」が確保されます。増加する「移動困難な住民」にも対応しているといえます。

なお、整備方針検討委員会の答申で「(市民総合センターと本庁の)両庁舎機能を統合」とありますが、これは2つの庁舎を統合せよという意味ではありません。住民が二度手間にならないよう一ヵ所で用事を済ませられるような整備を求めるものです。

 あわせて答申では職員の手間についても言及がありますが、庁舎が離れることによっての手間は昨今の情報通信技術(ICT)を活用すれば合理化が可能であり、広大な面積に行政局を持っている田辺市がそうした合理化に着手していないことこそ怠慢です。

 立派な庁舎を建てても、それ自体が何かを生み出したり、市民の生活が良くなるわけではありません。そのようなものに多額の税金を支出する必要はありません。

 市の計画では営業中の商業施設を解体し、代わりの店舗を建設することになっていますが、この方法ならそうした必要もなく、現状でも不足しているホテルを廃業に追い込むという必要もありません。

 耐震性がないと診断された市民総合センターについては、耐震補強と改修もしくは現地建て替えによって貸館としての機能を継続するほか、避難施設としての機能を向上させます。災害時に体育館のような劣悪な環境で過ごさなければならない現状を少しでも改善できるよう、関係者や職員の意向を充分に聞いて、災害時に活用できる施設とします。

 このような各地域での施設整備とあわせて防災拠点となる本庁舎を建設することが必要です。場所については、事業費が高騰しないよう取得および整備に多額の費用を要せず、職員の通勤に便利であること、想定浸水域外であるという条件で選定すべきです。

 災害時には、災害対策本部を設置するため「第1次緊急輸送道路」である紀勢道および国道42号田辺バイパスに安全にアクセスできる場所が望ましいと考えられます。

 大きな庁舎ひとつで「町のにぎわい」を作るという考えではなく、旧市内のそれぞれの「役場(行政局)」が住民と協力して「町のにぎわい」を作っていくという考え方です。

本庁舎は「中心市街地から近い」という条件に縛られないため、候補地選定の条件は格段に広がります。

 この整備手法ならば、現計画案の120億円規模の支出は必要ないものと想定されます。提案した7ヶ所程度の行政局(現公民館など)の改修には多大な費用は要しません。本庁舎についても極力シンプルな設計にすれば建設費はかなり圧縮することが可能です。庁舎整備にかかる総工費は現在の東山への移転案に比べて大きく削減できますし、すべて地元業者での受注が可能であり、地元への経済循環はゼネコンへの発注に比べても大きくなります。また、建設後のメンテナンスもすべて地元で対応可能となります。

整備方針検討委員会の答申では、「早急に整備すること」が求められていますが、現在の市の計画では、商業施設の閉店に間に合うよう代替店舗を建設してからしか移転先の建物の解体に着手できません。

「大津波がいつ発生してもおかしくない」「早急に庁舎移転の必要がある」というのであれば、すぐにでも着手できる候補地を選定すべきであり、そうした点からも東山への移転案は失格です。

この整備手法であれば、各公民館の改修工事は予算化さえすればすぐにでも着手可能であり、本庁舎についても2年以内に用地交渉が整えば事実上東山への移転と変わらない、もしくは早期に整備が可能です。

日本共産党田辺市議団は、この整備手法が、財政を節約し、市民にも喜ばれる提案だと考えています。広く市民の皆さんのご意見をお待ちしております。



by maekayoblog | 2018-09-07 05:44 | 議会 | Comments(0)