こんにちは。
田辺市議会議員の前田かよです。
大変ショックなお話です。
2月半ばに行われた会派代表者会議という非公開の会議で突然議員定数削減の話がもち出されました。
共産党は特別委員会を設置して議論されるべき話であって、4月の市議選に合わせて決めることには反対していました。
しかし提案者は「委員会で議論しても考えは変わることはないし、(3月議会に)多数決で決められる」として議論することを拒否しました。
どうやら水面下で賛成派の複数会派で意を固めていたようです。
それで共産党は対案として議員報酬削減案を先んじて提案する準備を進めていました。
そして昨日、田辺市議会3月例会初日の議案進行最後に久保議員が「議長、動議」と発する一瞬前に陸平議員から緊急動議の声が上がり、今年4月に予定される市議会議員選挙より議員定数を22から20にする条例改正案が出されました。
そして委員会付託を省略することに共産党3人は反対しましたが、私たち以外の賛成で即時採決されることになりました。
今回のことはこれまで田辺市議会では一度も公式の場で議論がされておらず、それなのに今議会で数の力で決めようとする提案者サイドの態度に私は「これが議会の姿か」と落胆しました。(ちなみに白浜町でも定数削減がされましたが、選挙1年半前の時期に特別委員会を立ち上げ市民に公開できる状態で議論されています)
でも議案提出された以上、それに対応しなければならず、本会議で暫時休憩中のわずか20分ほどの間に質疑事項と反対討論のメモを作りました。
私の質疑は主に次の通りでした。
〇議員の役目は何であると考えているか?
〇定数削減が市民にどのような影響を及ぼすと考えているのか?
〇立候補者説明会(3月9日開催)を間近に控え、選挙に向け切迫した時期に定数削減するのはあまりにも唐突で暴挙ではないか?
〇定数削減が経費節減の目的もあるのなら、なぜ議員報酬削減を議論しないのか?
陸平議員の答弁は、
〇市民にデメリットはない、
〇若い立候補者は自分のような高齢な者よりしっかり票を取っている、
〇今しなければ市民に申し訳が立たない、
〇報酬削減の必要はない、
など非常に個人感覚的で裏付け説明がなく論争にたどり着きませんでした。
共産党からは久保議員が「市民の意見をどれほど聞いたか?」
かわさき議員は「議員を減らすことが市民の期待に応えることなのか」
と質疑がありましたが、「地域で聞いて回ったわけでない」「今しなければ議会は何もしないことになる」など愕然とさせられました。
私は内心、勇退する陸平議員にこのような役回りをさせて、口火を切った議員はなぜ堂々と議論しようとしないのか、とも感じていました。
討論では私は
議員の役目は、市民から預かった税金が有効に使われているかチェックし、市民の願いを届けその実現にまい進すること。
しかし議員が減ればその分議会のチェック機能が衰え、市民の声、特に少数派の声は届きにくくなる。
選挙直前の削減は、現職有利の選挙に導かれ、議員のなり手不足が深刻化する昨今、議会が活性化されにくい状況を作ってしまう。
今回の議案はあまりに唐突で、議論を尽くすべきで、言論の府である議会のあるべき姿ではない、
と反対を訴えました。
松上議員、久保議員、川﨑議員も言葉を尽くし反対討論しましたが、その言葉が議場の議員には響かず、私を含め反対討論した4名以外の賛成であっけなく可決されました。二葉議員は棄権されました。
何という恐るべき暴挙。聞く耳を持たず響かない議会に激しく落胆し情けない思いです。